米澤穂信 / 儚い羊たちの祝宴
「収録作すべてがラスト一行で落ちるミステリは本作だけ!」
って帯はおおげさじゃないか?とも思うのだが、読んでみると「やられた!」と思わされました。
私はミステリ読者とは言えないので本作に対する評価や感想が的を射たものといえないかもしれませんが、
オチは落ちでも「落語の落ち」のような思わず膝を打つ落ちであると感じました。
落ちを判った(文字通り意味を理解した)状態で読み返してみると
作者の張った伏線や設定の妙に「上手い!」と何度も唸ることに。
本作は「バベルの会」という読書クラブが出てくることを共通点になっていますが
それぞれ別の独立した話であり、旧家や金持ち、成金といった上流階級の人物ばかり。
ですが、たった一点の共通点があるだけで作品の通底するものが感じられ統一感が出てきています。
落ちの強さ弱さはありますが、思い返してみるとどれも面白かったなぁ。
細かい感想はネタバレになるから書けませんが、5編の中でも「北の館の罪人」、
「山荘秘聞」、「玉野五十鈴の誉れ」は良かった。
この3編は最後の一行が特に良い。
だけど、タイトルにもなっている「儚い羊たちの祝宴」は俺の理解で正しかったのだろうか?
その点を心ゆくまで読み終えた人と語り合いたいのだが、残念なことにリアルに米澤穂信読者の友人が居ない。
かといって、ネットで落ちについて書くのは最大のタブー。
なんともアンビバレンツな状態に陥る俺でした。
これから米澤穂信を読み始めるのはどうかと思いますが、既に読んだことある方なら
是非ともお手にとって、立ち読みせずに、家に帰って読むことをお勧めしますw
トラックバックさせていただきました。
伏線や設定が、さすがの上手さでしたね。
トラックバックなどいただけたらうれしいです。
お気軽にどうぞ。
そしてはじめまして。
短いながらも張られた伏線と練られた設定はさすがの一言です。
こちらからもトラックバックさせて頂きます。
有り難う御座いました。