思わず、借りてしまった。
予想以上に酷い作品でした。
映画の上映時間に収める為に行われた換骨奪胎ならばいいのだが、
どちらかというと、原作レイプバラバラ事件とでも言うべき出来。
個人的に酷いなぁと思ったところを書いてみる。
第一点
何が酷いって、鳩村さんをポッポと呼ぶ、ところ。
原作には居ないキャラクターが多い為、最初ポッポって誰だよ?と思ったが
直後に「鳩村か−!!!」と思い、ガックリうなだれる。
なんだろ、威厳も糞もないよね、ポッポなんて呼ばれたら…
第二点
由多監督に威厳が全くないこと。
原田泰造に期待するのが間違いなんだろうが、それ以上に脚本がダメすぎる。
本当に原作読んだの?と言いたくなるくらい、ドーンと構えずかっこ悪さのみのユタ監督にがっかり。
第三点
主人公である、テルが単なる自転車バカと言うよりも協調性のない人物として描かれているところ。
自転車バカ故に有り得る我の強さではなく、単なる我儘キャラという描かれかたでがっかり。
しかも、劇中で坂が出てくる度に、毎回演じている役者さんの顔がドアップになり
「坂や!!」
ってやられるたび、安っぽい背景との合成を含め非常に萎える。
第四点。
原作では、お嬢様系キャラでおしとやかな永田さん。
映画では、原作におけるもう一人のマネージャーとなる東海林さん的描かれかた。
ボーイッシュで、快活で、物怖じしない性格の永田桜なんか求めていないのだ。
つうか、マジで原作読んだのか!?と言いたい。
第五点。
第四点とも絡むのであるが、鳩村と永田さんの妙な恋愛感情とか要らないだろ?
確かに、原作では東海林さんは鳩村に惹かれるのだが、だからといって短い映画に
あまり必要のない恋愛感情的なところを入れる必要があったのかと。
どうせなら、映画版は永田さんではなく、東海林さんをマネージャーとして
鳩村と東海林さんの恋愛感情とかだったら原作読者も有りだと思うのだろうが
そこを無理矢理、マネージャーを永田としているから余計に原作読者はイライラする。
ホント、マジで原作読んだのか!?と言いたい。
第六点。
映画冒頭、テルの乗った小径車(ミニベロ)で鳩村のロードバイクを追いかけるシーンがあるのだが
いくらギアが故障していても、小径車とロードバイクがいい勝負ってのに萎えた。
なんつうか、こういうリアリティの無さが作品をどうしようもない方向へ持って行くのだと実感。
他にも突っ込みどころはいっぱいあり、酷いという言葉以外無い。
青春ものとしても消化不良、自転車ものとしても消化不良で、褒めるべき所は、なにも無い作品。
とりあえず、原作が好きでたまらない人は怖いもの見たさで見る分には良いのでしょうが、見ない方が身の為です('A`)
公式サイト:
映画『シャカリキ』