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吉田基已 / 夏の前日 / 感想
評価:
吉田 基已
講談社
¥ 610
(2010-02-05)

久久にニヤケ倒して悶絶したくなるような作品に出会ったのがこれ。

good!アフタヌーンを3号ほど買っていて、その時からニヤケまくりましたが
1冊にまとまったあとで読んでみると、その破壊力たるや恐ろしい恐ろしい。

芸大4年生の青年と、画廊の女店長の恋模様を描いた本作。
しかも、女性店長の藍沢晶さんは「ショートカット+和服+年上女性」ですよ?
最高です。ホント、最高です。
雨の中、晶さんの忘れ物の傘を届けに来てびしょ濡れになった主人公の哲生にキスをしたうえ
自らの部屋に連れ込んみ、年上の自分と自分の行動を思い出して身もだえしてへたり込むあたり
もう、可愛くて可愛くてたまりません。
こういう可愛らしい年上女性キャラ好きなら間違いないから買っておけ!!

ああ。何度読み返しても、晶さんの可愛らしさにニヤニヤする。
大人の女性として、キリッとした表情や台詞から、一転ニコニコの笑顔になるとか

かわいすぎるだろうがぁぁああああ!!!!

はぁ、取り乱した。
もうね、この本の感想は晶さん可愛いだけで良いと思う。
それ以外の感想は、要らないんじゃないかと思っちゃう。

というのは冗談で、哲生の微妙なポジションから来る苦悩や葛藤を含め
今現在そうである人、かつてそうであった人を含めその拙さや青さに
感じるところが多いのではないでしょうか。

そして、ちょこちょこ顔を出す芸大生っぽい女の子"はなみ"も今後絡んでくること必至でしょう。
ああ、先の展開がホント気になる。
大森望 責任編集 / NOVA 1 - 書き下ろし日本SFコレクション / 感想
評価:
伊藤 計劃,円城 塔,北野 勇作,小林 泰三,斉藤 直子,田中 哲弥,田中 啓文,飛 浩隆,藤田 雅矢,牧野 修,山本 弘
河出書房新社
¥ 998
(2009-12-04)

ハッキリ言える。

全部面白かった。

どれもアイディアも内容も非常に面白く一編たりとも外れ無し。
ショートショートから、次元を超越する話、ホラーSFまで書き下ろし作品が詰まっている。

個人的なベストは、飛浩隆 "自生の夢"。
非常に手触り感があるんだけど、まだ遠いというところがたまらない。

私事だが、ブログを書き、Twitterでつぶやき、Last.fmでは聴いている音楽を晒し
日常で自らが発散している情報、普通ならばそのまま拡散していく情報を記録する媒体が
あることで、個人個人を形作る情報が外部化し、個人の個人としての情報量がネット以前に
比べて莫大な量となっているのを感じる。
そういった情報をいちいち保存し、読み出すことが出来る世の中の便利さに慣れてしまうと
もう昔に戻れないことも確かなわけでして。
そういったものがあることが当然なものとして生きている10年代の俺としては、
時としてそれ自体があたかも現実の重なる別レイヤーとしての存在感を感じることがあり、
そのひとつの形が、拡張現実(AR)と云われるようなものであるのが今現在。

そんな気分の俺に、自生の夢はクリティカルヒットしたのです。
飛先生の現時点でベストなんじゃないかと思うくらい面白かったわ。

そして圧巻なのは、伊藤計劃氏の絶筆となった「屍者の帝国」。
これが最後まで書かれていたら間違いなく名作になったと思うため、
伊藤先生が若くして逝去されたことを本当に残念に思う。

他にも、藤田雅矢先生の"エンゼルフレンチ"は俺の好きなところをことごとく突いてきた。
ミスドでのおしゃべりから、深宇宙まで行ってしまうのは圧巻。

円城塔先生の"Beaver Weaver"は最初ポカーンで、唯一の外れかなー?って印象
だったけど途中から世界が見えてくると物凄く面白くなり、最後には土下座。面白かった。

これはごく一部の感想だが、ハードなSF好きから、そうじゃない人まで
間違いなく読み物としての面白さが詰まっている一冊としてお勧めできます。
上橋菜穂子 / 獣の奏者〈1〉闘蛇編 / 読了
評価:
上橋 菜穂子
講談社
¥ 660
(2009-08-12)

久久に、素晴らしく完璧で、そして暖かみのある本と出会った。

一気にII王獣編まで読みましたが、読んでいる最中の没入感の素晴らしさ!
見知らぬ世界や動植物にヒロインであるエリンと共にワクワクし、
知的好奇心と不思議に心打たれ、大きなうねりの中に進むストーリーは
メインとなる部分から巧みに張られた伏線までよく練られており、
それだけではなく、舞台となる世界からキャラクターの設定まで
何もかもが素晴らしくて完璧でした。

挿絵があるわけでもないのに、絵が動き、キャラクターが喋り
世界はうねり、物語は進む。

なんとも素晴らしい時間でした。
多くを語る必要はありません。
老若男女、全てに読んで貰いたい作品でした。

本当に面白かった。

IIIとIVは続編ですが、本作とIIで話は一旦終ってますので
安心してお手にとって見てください。
心の底から本作をお勧めしたいです。
青山景 / ストロボライト / 感想
評価:
青山 景
太田出版
¥ 819
(2009-08-04)

表紙に惹かれて買ったら、CONTINUEで連載していた作品だった。 
本作の途中1話しか読んでなくて、なぜか、アイアムアヒーロー(序盤)とごっちゃになり 
アイアムアヒーローの1巻を読んで「あれ、立ちバックしてない」と思い 
これを読んで、「あー立ちバックしている」と思ったのもいい想い出。

なんつうかさ、想い出なのか現在なのか映画の中のことなのか想像なのか
ごちゃごちゃになりながらも、時間軸を行ったり来たりして転がり続けるストーリー。
そして、見事なまでのエンディング。 
もうね、大好き。
あの最後は本当に震える。

ストーリーは、主人公の愛すべきマイナー映画「G9」
誰にも理解されない映画の良さと、小説を書いても理解されない自分の状況を重ねつつ
花見でたまたま一緒になった町田ミカが、実はG9のヒロインの娘で
そこから始まる、モラトリアムとペシミズムと屈折と実直さ、そして虚構と混乱。
なんともあっちこっちに時間軸が動くのだが、意外とスッキリと読める。

読んでいると、ヒロインの町田ミカの可愛らしさ(表紙の娘)がヤバイ。
だって、ショートカット、八重歯、タレ目だよ?もう最高すぎるでしょ。

そして主人公である浜やんの「お前は、俺か!」ってくらいのうぬぼれと諦めと屈折に
身もだえしながらも、意外と突き放して読めてしまうのは
現在という時間軸から過去を俯瞰しながら描いているから故か。
如何様にも解釈できそうで、意外とそういった解釈を求めていないようにも思える。
始まりは一カ所でしかなく、終わりも一カ所でしかない。
最初と最後が決まっているからこそ、途中拡散してしまいかねない展開やストーリーが
読み終えた後の自分の心に響く。

もう一度云う、あのエンディングは本当に素晴らしい。
過ぎ去っていってしまったものは、全て美しく見えてしまうものだが
本当に美しい瞬間というのは、ああいう他愛のない一瞬なのかも知れない。
ボクは、本当に、そう思う。
TAGRO / DON’T TRUST OVER30 / 読了
くそう、不覚にも感動してしまった。

感動したというか、これがわかってしまうというか
なんというか、う〜ん。
ああ、そうか、俺もダメ人間だからか。

読んでいて、痛みとともにある種の癒しすら感じる。

若者には分るまい!
若者をわかりたい!

ああ、やっぱ、痛ぇや。
市川春子 / 虫と歌 市川春子作品集 / 読了
ひとは本作をファンタジーというかもしれないし、俺はSFというだろうし、
藤子先生にしたら「すこしふしぎ」とくくるかもしれない。
だが、共通して云えるのは、良い作品が揃っていると云うこと。

久久にキたなぁ。
良い物とで出会った・読んだときに感じる背中の毛が逆立つような感じを味わったわ。

どれも心に引っかかる作品だったのだが、特にキたのは「日下兄妹」。
最後の病室での言葉は、何度読んでも、体中に電気が走る。
美しく、悲しく、そして愛のある結末。
この一本と出会えただけでも、本作を買って良かったと思う。

次に「虫と歌」
本作品集のタイトルともなっている作品で、読み終えてから一番古い作品だと気付きましたが
間違いなく最初の作品が一番作家として本質を表している作品だと思う。
これも、上手く言葉にしにくいのだが、手触りが良く、読み進めるうちにそれが
手から徐徐に心へと張り付き、読み終えたときにはそれを一気に剥がされるような
そんな痛さと、喪失感があった。

全編どれも感想が抽象的になってしまうのだが、致し方ない。
俺程度の文章では、伝えられない。読んで貰わないと分らない。
本作を読んだ全員の心に響く作品だということは出来ないが、
間違いなく一部の人間の心の中心を打ち抜くだけの力がある作品だと思います。

是非、お手にとって読んでみてください。
小川一水・みずきたつ / 復活の地[1] / 読了
評価:
小川 一水
メディアファクトリー
¥ 620
(2009-12-22)

今年は、小川一水原作モノがよく漫画化されてまして、本作もそのひとつなのですが
「こちらは」本当に面白い!!こちらじゃない方は、触れるな!(笑)
いやいや、元元原作が非常に良くできているのは知っていたのですが、あの原作を
マンガにしたらこうなるのか!!という期待を全く裏切らない出来なのです。

小説が原作となった作品のコミカライズで、ここまで幸せな完成度を誇っている作品に
出会えると云うことはなかなかなく、多くの人が同意するであろう作品で云えば
「皇国の守護者」のコミカライズに感じた興奮とクオリティが本作にもあります。
あっちは、原作者というかよm ピンポーン おっと誰かが来たようだ

閑話休題

本作は、架空の世界を舞台にした、災害復興モノです。
未曾有の大地震により人口500万の帝都が一瞬で廃墟と化し、政府機関や行政、軍もズタボロの状態に
帝都に帰還と共に被災した主人公セイオは同行し、被災により瀕死の総督から、
総督代位の高等文官として任じられ、帝国の復興と、あらゆる人や勢力から帝国を守ることを託されるのです。

有事において官僚は何が出来るか、何をしなければならないのか、何をすべきなのか。

それが本作のテーマのひとつであるのですが、それがまた上手く絵になってるんですわ。
全く原作を知らない人が読んだとしても、力強く、そして細かい描写に引き込まれるでしょう。
展開としては、救急救命において敵である時間との戦いを力ある者は現場をどう使うべきか
一番すべきことは何なのかを、しっかりと魅せ、読ませてくれます。

やっぱり、情報量の多い作品をコミカライズするならば、
余計なアドリブに逃げないだけの絵がしっかり描ける人が適任だと思うのですが、
本作の作画を担当している、みずきたつ先生のチョイスは、素晴らしい人選だと思います。
原作を端折ってますが、それをうまく、丁寧やりつつ作品を作り上げておりまして
はっきりいって、原作のファンもこれは納得でしょう。

オチがどうなるか分っている作品を読みながら、ワクワクしたのは久しぶりです。
これは、サバイバルモノというか極限状態での物語を好きな人ならば是非手に取るべき一冊だと思います。
新城カズマ / 15×24 link one 〜 six / 全巻読了
<17>と名乗る人物と、完璧な場所で自殺をすることにした主人公の徳永準。
遺書として送るつもりだった書きかけのメールを、ひょんなことから自殺前に送信され
それが、友人やら無関係な人間に回り回って気付くと、
各自の勝手な思惑により徳永準の<捜索隊>が結成され、都心部に居るだろう
徳永準の自殺を阻止すべく、大晦日の東京を右往左往するのが本作。

ちなみにタイトルは、「イチゴーニイヨン」と読みます。

全6巻を読み終えての感想ですが、非常に面白かった。
リリースはラノベとしてですが、これは、普通にハードカバーで売られてもおかしくない。
むしろ、その方が良かったんじゃないの?とも思う。
その方が、年齢層高めの人達にも目に付いたんじゃないかな?と思う。
それに、後述するようなイベントに参加するであろう人間の年齢層を考えると
ラノベとしてリリースしたことが本当に正解だったのか?とは思います。
だけど、読んで欲しいであろう対象者はきっとティーンエイジャーなので
そうだとするとラノベリリースは正解だが、そうなるとイベントはそのティーンを
置いてきぼりにしているような感じもして、ちょっとちぐはぐ感が。

閑話休題。

読んでいくと、「なんで死んだらダメなのか」「生きるとは、死ぬとは」といったことが
常に頭を過ぎり、時時そういった命題にぶつかりつつも、登場人物達の時間軸に沿った
細かい切り替えにより、話はかなりテンポ良く進みます。
そのため、非常に重く、結論が出ないテーマをデカデカと掲げながら
それに拘泥することなく話は、二転三転どころか最後までひたすら転がり続けます。
link one(いわゆる1巻)を読み上げた段階では、案外あっさりと話が終るかな?と思いました。
だけど、link twoからは一気に展開の速度と、予想外の方向に話が流れ
捜索対象である徳永準や、その捜索隊を含め、かなり引っかき回されます。
よくもまぁ、ここまで入り組んだ展開を考えた物だとハッキリ言って感心するしかない。
個人的には、新城十馬時代の「蓬莱学園シリーズ」が至極の作品だと思っているため
本作も、蓬莱学園的な多方面で同時多発的にドタバタが起きるのを6冊にわたって
行っているため、読んでいて楽しくないわけがなかったのでした。

15人の24時間が、どのようにしてすぎていくのかは、ハッキリ言って予想を裏切り続けます。

個人的には、早い段階で<17>の正体には気付きましたが、
理由付けというか、こういうことを仕組んだ理由というか伏線に気付かずショックでした。

そういう、犯人を捜せ!ではないですが、ミステリー的要素も多く
そして、都市伝説であったり、ファンタジー的な要素であったりが散りばめられており
単純なジュブナイルや、ラノベではないです。
ですが、link sixはちょっとそういう要素が前の5冊に比べて多かったために
読み終えてすぐは、「ちょっとなぁ〜食傷気味」と正直思っていました。
ですが、読み終えて1日経ってみると、不思議の国的なモノがなくて、
リアル一辺倒だったらここまで面白くならなかったことがしっかりと理解でき、
そして、そういったものが存在するからこそ成立する話だったとつかみ取れました。

それは、あとがきを読めば確かにそうだと思うのですが、1巻ではなく「link one」であることや
6冊でひとつの絵が完成する表紙において、登場神仏達が腕を組んだり手を繋いだりして
繋がっているあたりとか、そういったことを含め、全てがリンクしている、繋がっているんだ!
と読み終えた後だからこそ、見えてくる新たな面白さをいま感じているところでして
これは、もう一度通読し、そうすることで新たな感想が得られる、そんな気がしております。

そして、本作ですが、前出したように09/12/31にイベントが繰り広げられます。

公式ルール:散歩男爵

と上記のようなイベントが開催されるのですが、セカイカメラっていえばiPhoneじゃないですか
それを使いつつ、イベントに参加出来る中高生ってそんなに居るかな−?
どちらかといえば、中高生より、中高年じゃねーの?と思ったりするので
そこは、狙った読者層と、このイベントのターゲット層に乖離があるような気がします。
そして、都内にいない俺にしたら、そもそも参加不可能(笑)
だけど、協力者として参加することは出来るようでして、Twitter上で
上記のアカウントを含め、いくつか15x24関係のアカウントをフォロー中。

これって、現代のPBM(Play By Mail)だよなぁー
さすが、元遊演体って感心しきり。
ちなみに、Play By Mailっていうのは、プレイヤーがメール(手紙)をゲームマスターに送り、
それを読んだゲームマスターが各人の行動を総合してプレイヤーに手紙を返信し、
それに対してまたプレイヤーが反応し… という遊びです。
現在では信じられないかも知れないけど、そういう遊びが存在していたのです。
テーブルトークRPGはまだ生きているけど、リアルPBMなんて絶滅しただろうしなぁ
強いてあげるなら、Civilizationシリーズでのメール対戦にその面影を感じるくらいか。

また、話が逸れた。

ということで、年内に読み切って、いや、読んでなくても大丈夫ですから
参加出来そうな人は、本イベントに参加するべきだと思います。
こんな、ゼロ年代最後、まだまだ面白いことは沢山ありますよ!
谷川史子 / 清々と[1] / 読了
評価:
谷川 史子
少年画報社
¥ 570
(2009-12-28)

中高一貫教育のお嬢様女子校に、高校から編入してきた田中清(たなか さや)(←表紙の娘)。

そんな学校で、生徒と教師が繰り広げる、心温まるお話が本作。

もうね、谷川先生の描く女性が好みすぎる俺にとって見たら、もう聖書の様な一冊。
ほのぼのとした物語から、ちょっとウルっと来る物語まで4話収録されており、
各話独立した話としても読めるし、連作短編としても読める感じでして
いきなり途中から読んでも、楽しめるあたりは、さすが谷川先生!と言う感じです。

何度も言うけど、谷川史子先生の描く女性が大好きな俺にしてみたら
読んでいるだけで、顔がにやけまくります。
しかも、純粋培養女子高生とか、黒髪おさげとか、女教師とかもうてんこ盛り!
これは、素晴らしい一冊です。

と、個人的感想はおいといて、作品についてもう少し。

導入部分の2話も好きなのですが、個人的には後半の2話が特に好きです。
生徒のことを思うゆえに厳しくしてしまう英語教師の話は、
感情の揺れや、壁を徐徐に溶かしていくまでの過程が秀逸で、
もう一話の校長先生の昔の話は同著者の「くらしのいずみ」っぽいかんじで、
同作が好きだった自分としては、かなりストライクな感じでした。

本作は、少女漫画雑誌でもあまり見かけなくなったタイプのマンガでして、
それを少年漫画というか青年向け月刊誌で連載が成立するという素晴らしさ、
その希少性ゆえに読んで欲しいし、できれば、長く続いて欲しい一作です。
やまむらはじめ / 天にひびき[1] / 読了
評価:
やまむら はじめ
少年画報社
¥ 600
(2009-12-28)

やまむら先生のYK OURSでの新連載が本作。

小学校時代の主人公の秋央がオーケストラの練習場で出会った同年代とおぼしき少女、曽成ひびき。
指揮者である父の代役、としていきなりベト4を振った彼女の天才的な才能に触れ、
その出逢いにより主人公が成長していく青春モノ、が本作だと思います。

だと思うというのは、本編があまり進んでいないためですw

音楽モノで、指揮者が絡むとなると、のだめ〜が真っ先に思い浮かぶと思いますが
個人的には、さそうあきら先生の「マエストロ」の方が近いと思います。

上に上げた作品にも共通していますが、読んでいて紙面から音楽が立ち上ってくる
感じが本作にもありまして、連載の初回を読んだときから、震えました。
これは、絶対面白くなる!という雰囲気がビンビンと伝わってくるんです、読んでいて。

しかも、青春モノを描かせたら、ぴかいちのやまむら先生が、音大を舞台に
天才、才能、努力、挫折、葛藤、焦燥感なんかを織り交ぜながら描くわけですから
面白くならないわけがない。

掲載誌がOURSですから、そうそう打ち切られることはないと思いますが
じっくりと、丁寧に話を進めて欲しい!と思える一作です。